
ロワールの古城めぐり:パリから車で巡る個人旅行4日間モデルコース
Blaise Jaeger著 · 2026年10月29日更新
ロワール渓谷は、パリからいちばん手軽に行ける極上の小旅行先です。A10高速道路を2時間走れば、そこはもうルネサンスの王たちの国。私はこれまで何度も訪れています。2019年10月には日本の彫刻家・新宮晋の展覧会のオープニングでシャンボール城に週末を過ごし、2022年9月には友人のRoyと、廃墟となった中世の城塞からレオナルド・ダ・ヴィンチ終焉の館まで、車で4日間かけて周遊しました。このガイドではその旅をたどりながら、おすすめの古城を訪れた順にご紹介し、泊まった宿や、次に行くなら変えたいことまでお伝えします。

ロワールの古城めぐり早わかり
- 私のいちばんのお気に入り:シャンボール城。フランス・ルネサンスでもっとも贅を尽くした城です。
- もっとも優雅な城:シェール川をまたいで建つシュノンソー城。
- 夜のお楽しみ:ブロワ城の中庭で行われる音と光のショー。
- 庭園と現代アートなら:ショーモン=シュル=ロワール城。
- レオナルド・ダ・ヴィンチゆかりの地なら:彼が眠るアンボワーズ城と、晩年の3年間を過ごしたクロ・リュセ城。
- 日数の目安:車で4日間が理想です。パリからの日帰りも可能ですが、見られるのは1〜2城だけです。
- ベストシーズン: 4月から10月。庭園に花が咲き、音と光のショーが毎晩上演されます。
車で巡るロワール渓谷4日間のモデルコース
パリでレンタカーを借り、約600kmの周遊ルートを走りました。城と城の間は車で20〜40分なので、1日に大きな城を2つ、慌てずに見て回れます。
- 1日目:パリからイエーヴル=ル=シャテル(Yèvre-le-Châtel)へ。パリから約1時間30分の、廃墟となった中世の城塞です。村で1泊。
- 2日目:午前はシャンボール城、午後はブロワ城、夜は音と光のショー。ブロワ近郊のChâteau de la Rozelleに宿泊。
- 3日目:午前はショーモン=シュル=ロワール城、午後はシュノンソー城、アンボワーズへ向かう途中でカーヴ(洞窟のワインセラー)に寄ってワインテイスティング。アンボワーズを見下ろすChâteau de Nazellesに宿泊。
- 4日目:アンボワーズ城とクロ・リュセ城を見学し、A10でパリへ戻ります(約2時間30分)。
1日目:途中で立ち寄る中世の城塞、イエーヴル=ル=シャテル
最初に訪れたのは、たいていのガイドには載っていない城です。ロワレ県のイエーヴル=ル=シャテルは、県内で唯一「フランスの最も美しい村」に選ばれている村。13世紀の城塞は廃墟ですが、城壁の上を歩いてボース平野を見渡したり、狭い地下の階段を下りたりできます。城壁のすぐ外には、屋根の落ちたサン=リュバン教会のゴシック様式の壁が立っています。この村は、私にとって別の意味でも大切な場所です。子どものころ父に連れられて訪ねた画家、ヴィエイラ・ダ・シルヴァとアルパド・セネシュが、この村の墓地に眠っているのです。

2日目:私がいちばん好きなロワールの古城、シャンボール城
シャンボール城は私のいちばんのお気に入りで、これだけは外せないという城です。1519年にフランソワ1世が狩猟の館として建設を始め、フランス・ルネサンスでもっとも贅を尽くした城となりました。部屋数426、暖炉282、階段77、そして屋根の上には煙突と小塔が森のように林立しています。城を囲む領地は32kmの壁に囲まれた5,440ヘクタールで、壁に囲まれた公園としてはヨーロッパ最大です。

城の中心にあるのが、有名な二重らせん階段です。2本のらせん階段が互いに絡み合うように巻いているため、2人が同時に上り下りすると、お互いの姿は見えるのに決してすれ違うことがありません。レオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチに着想を得たといわれています。レオナルドは工事が始まる数か月前の1519年5月に亡くなりました。屋上テラスもお見逃しなく。煙突の間を歩くひとときが、この見学のハイライトです。

2019年のシャンボール城:新宮晋の風の彫刻
2019年10月、シャンボール城の500周年を記念して、日本の芸術家・新宮晋が風の彫刻をこの城で展示しました。私の一族のギャラリーであるGalerie Jeanne Bucher Jaegerが協力した展覧会です(ギャラリーの歴史はパリのお気に入り美術館ガイドでご紹介しています)。白い帆が運河の上で回り、黄色い彫刻が中庭で踊っていました。私はオープニングの週末をそこで過ごし、日本の文楽の人形公演や城内でのディナーを楽しみ、新宮晋さんご夫妻にもお会いしました。


知っておきたいこと: 2026年から、シャンボール城の入場料は欧州経済領域(EEA)からの来場者が21ユーロ、それ以外の来場者は31ユーロになりました。18歳未満は無料です。駐車場は1日8ユーロ。毎日開いており、ハイシーズンは午前9時から午後6時までです。
2日目:ブロワ城と音と光のショー
シャンボール城から20分のブロワ城は、ひとつの中庭で歴史の授業が受けられる場所です。4つの棟がそれぞれ異なる4つの様式で建てられており、中世の城塞から、ルイ12世のゴシック様式の棟、有名な吹き放しのらせん階段があるフランソワ1世のルネサンス様式の棟を経て、ガストン・ドルレアンの古典様式の棟まで続きます。7人の王と10人の王妃がここで暮らし、1588年にはアンリ3世の命によりギーズ公がここで暗殺されました。


ぜひ夜まで残ってください。音と光のショー「Ainsi Blois vous est conté」では、45分間にわたって城の歴史が中庭の4つのファサードに映し出されます。本当によくできたショーです。4月から9月下旬まで毎晩、さらに10月下旬の万聖節の休暇中にも上演されます。夏は午後10時または10時30分の開始なので、先にブロワで夕食を済ませておきましょう。料金は城が16ユーロ、ショーが13ユーロ、セット券が24ユーロです。

私たちが泊まった宿: Château de la Rozelle。セレット(Cellettes)にある客室数24の4つ星シャトーホテルで、シャンボール、ブロワ、シュヴェルニー、ショーモンのいずれからも約20分。美しい庭園があります。Booking.comでChâteau de la Rozelleの料金をチェック。
3日目:ショーモン=シュル=ロワール城、庭園と現代アート
ショーモン城は、定番の城をすでに見た人におすすめしたい城です。ロワール川を見下ろす断崖の上に建ち、川の眺めは屈指の美しさ。1559年、カトリーヌ・ド・メディシスがシュノンソー城と引き換えにディアーヌ・ド・ポワチエに与えた城です。現在はアートセンターでもあり、城や厩舎、庭園で現代アーティストが作品を展示しています。さらに毎年4月下旬から11月上旬までは国際ガーデン・フェスティバルが開かれ、敷地が新しい庭園で彩られます。



知っておきたいこと:入場料はハイシーズン21ユーロ、ローシーズン16ユーロ。庭園の光がいちばん美しい午前中に訪れましょう。
3日目:川の上に建つ城、シュノンソー城
シュノンソー城はロワールの古城の中でもっとも優雅で、もっとも多く写真に撮られる城です。シェール川をまたいで建ち、その土台の橋はアンリ2世の寵姫ディアーヌ・ド・ポワチエが架けたもの。その上にカトリーヌ・ド・メディシスが長さ60メートルのギャラリーを増築しました。4世紀にわたって女性たちが建て、守り、形づくってきたことから「貴婦人の城」と呼ばれています。ギャラリーを端から端まで歩き、窓から川を眺めてみてください。忘れられない光景です。


知っておきたいこと:年中無休。入場料は19ユーロ、オーディオガイド付きで24ユーロ。朝早くか夕方に訪れましょう。シュノンソー城はロワール渓谷でもっとも来場者の多い城です。
カーヴでワインテイスティング
シュノンソー城からアンボワーズへ向かう途中、シュノンソーから2キロメートルのシヴレ=ド=トゥレーヌにあるCaves du Père Augusteに立ち寄りました。ロワールの多くのセラーと同じく、この地方の柔らかい石灰岩を掘ったセラーでテイスティングができます。城と城の合間のよい休憩になります。ただし、運転する人は味見だけにしておきましょう。

私たちが泊まった宿: Château de Nazelles。アンボワーズのすぐ上に建つ16世紀のシャトーを使った魅力的なゲストハウスで、客室はわずか数室。岩をくり抜いた洞窟住居のスイートもあります。Booking.comでChâteau de Nazellesの料金をチェック。
4日目:アンボワーズとクロ・リュセ城、レオナルド・ダ・ヴィンチの足跡をたどる
王家の城、アンボワーズ城はロワール川と旧市街を見下ろしています。テラスからの眺めはロワール渓谷でも屈指の美しさです。城内の小さなゴシック様式のサン=テュベール礼拝堂には、フランソワ1世の招きで晩年の3年間をアンボワーズで過ごしたレオナルド・ダ・ヴィンチが眠っています。

数分先にあるクロ・リュセ城は、レオナルドが1516年から1519年5月2日に亡くなるまで暮らしたレンガと石造りの館です。寝室やアトリエ、そして彼の素描をもとに作られた約40点の機械の模型を見ることができ、庭園には実際に触れられる実物大の模型もあります。子ども連れにぴったりの見学先です。

知っておきたいこと:入場料はアンボワーズ城が17.30ユーロ、クロ・リュセ城が20ユーロ。車はアンボワーズ城に置いて、クロ・リュセ城までは歩いて行きましょう。
ロワール渓谷のおすすめ宿
シャトーに泊まるのも旅の醍醐味のひとつで、パリのよいホテルより安く済むこともよくあります。ここでは私が実際に泊まった3軒をご紹介します。
- Le Relais de Chambord:シャンボール城の正面に建つ4つ星ホテルで、領地内にある唯一のホテルです。2019年の新宮晋展のオープニングの際に泊まりました。目覚めるとシャンボール城が目の前にある体験は格別です。Booking.comでLe Relais de Chambordの料金をチェック。
- Château de la Rozelle(セレット):庭園付きの4つ星シャトーホテル。ブロワ、シャンボール、シュヴェルニーの間という便利な立地です。Booking.comでChâteau de la Rozelleを見る。
- Château de Nazelles(アンボワーズ): 16世紀のシャトーにある小さなゲストハウスで、アンボワーズとシュノンソー城の観光に最適です。Booking.comでChâteau de Nazellesを見る。
パリからロワール渓谷への行き方
- 車:複数の城を巡るならいちばんの方法です。パリからA10を走れば、シャンボールやブロワまで約2時間15分、帰りはアンボワーズから2時間30分です。どの城にも駐車場があります。
- 電車:パリ・オステルリッツ駅(Paris-Austerlitz)からの直通列車で、ブロワまで約1時間25分、アンボワーズまで約1時間30分。モンパルナス駅からはTGVでトゥールまで1時間ちょっとです。そこから城へは、タクシーや自転車、地元のシャトルバスを利用する必要があります。
- ツアー:運転したくない場合は、パリ発の日帰りツアーがあります。たいてい2〜3城を組み合わせており、シャンボール城とシュノンソー城の組み合わせが多いです。
ロワール渓谷のベストシーズン
4月下旬から9月までは、すべてが開いています。庭園は花盛りで、ショーモンのガーデン・フェスティバルが開催され、ブロワの音と光のショーも毎晩上演されます。私たちは9月下旬に行きましたが、最高でした。晴れの日が続き、夏より観光客が少なく、光もきれいでした。冬も城は開いていますが閉館時間が早まり、庭園やショーは終わっています。
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ロワールの古城に関するよくある質問
ロワール渓谷でいちばん美しい城はどこですか?
私のベスト5は、シャンボール城、シュノンソー城、ブロワ城、ショーモン=シュル=ロワール城、そしてクロ・リュセ城と合わせてアンボワーズ城です。1つだけならシャンボール城を、2つならシュノンソー城を加えてください。
ロワールの古城めぐりには何日必要ですか?
車で3〜4日が理想で、1日に2城ずつ巡れます。パリからの日帰りも可能ですが、見られるのは1〜2城だけです。
パリからロワールの古城へ日帰りできますか?
はい、車か日帰りツアーで可能です。シャンボール城はパリから約2時間15分。長い1日になり、見られるのは多くて2城です。
ロワールの古城めぐりに車は必要ですか?
城が点在しているので、車があるほうがずっと楽です。車がない場合は、電車でブロワかアンボワーズへ行って町なかの城を見学するか、ツアーに参加しましょう。
子ども連れにいちばんおすすめの城は?
庭園にレオナルド・ダ・ヴィンチの機械の実物大模型があるクロ・リュセ城と、二重階段や屋上テラスのあるシャンボール城です。
ブロワの音と光のショーは見る価値がありますか?
はい。本当によくできています。中庭の4つのファサードに45分間のプロジェクションが映し出されます。4月から9月まで毎晩、そして万聖節の休暇中に上演されます。


